デジタル画像のbit数とは1画素あたり何段階に色を表示できるかというもので、この数値が高いデータほど情報量が多く階調が細かで滑らかだ。ちなみに4bitは16階調、6bitが64階調、8bitが256階調、12bitは4096階調である。JPEG記録時のbit数はRGB各チャンネル8bitで、表現総色数は256×256×256=約1,670万色だ。
S2の場合RAWは12bitで8bitより豊かな階調で記録できるとされる。JPEGやTIFF形式ではphotoshop等では8bitでしか扱えない。16bitモードの使用は、主にレタッチの際によりトーンジャンプを起こさず画像を整え、最終的に8bitに落とすというのが階調性が豊かで高品位な画像を作るために使用する。
デジ一眼に於いて8bitより多い階調が必要かというと、実は私個人的にはあまり必要だと思わない。S2の12mpの長編は4526ピクセル。チャンネル12bitは4096階調、画面の端から端まで0から最大濃度があったとして、隣り合うピクセルの濃度差は約0.025%、40ピクセル離れて約1%の濃度差だ。8bitは18ピクセル離れて1段階約0.4%の濃度差。40ピクセル2.5段階で1%だ。要するに細かいか粗いかということなのだが、問題なのはこれがモニタ上で、肉眼で分かるかどうかという部分がそのひとつだ。40ピクセルというのはオフセット印刷175線350dpiの場合約3mmだ。8bitは約1.3mmずつ変化できる。しかし実際の画像はもっと急激な階調変化が必要で、オフセット印刷のアミ点の濃度変化量も8bit、0.4%刻みなので、私は8bitでとりあえず十分ではないかと思う。それよりもデジカメデータのJPEGが現状で8bitある様にどうも思えない。圧縮率の問題なのか階調性の問題なのかはよく分からないが、とにかく8bit階調の絵には見えないのだ。
話は前後するが、階調というのはそこに濃度を変化させ表すための十分な画素数が必要である。一定方向に100画素100階調ある画像は、サイズが半分になると、ピクセルサイズが同じなら画素が50になるので50階調しか必要ない。しかしデジタルカメラの画像データにはノイズがあるので、実際必要な階調数より少なくて階調があるように見える。オフセット印刷のアミ点の様な効果だ。つまりサイズが大きければ階調数は多く表せまた必要だが、小さければ少ない階調しか存在できないので必要以上にあってもデータが重くなるだけ、という訳である。
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