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栄春寺住職

米澤 昭博

青葉の上の一滴の露は、内も外も包み隠すことなく堂々とそのものの姿を現しています。今、私たちも、小さなこの一滴の露に学ばなければなりません。

今も庭に目をやると、緑は爽やかで、花は鮮やかです。しかし、忙しく殺伐とした毎日の中で、当たり前のことがありのままに目に入っているでしょうか。

ものごとに対して、素直に受け取ろうとしているでしょうか。忙しい中にも季節は移り行きます。そして足元の花も虫も、命の限り精一杯なのです。

時折、「一期一会」という言葉を聞きますが、一期とは人の一生のこと、一会とは一度きりという意味です。いかなるときも次の期会というものはないです。あっても、今とはまったく違うものになっているはずです。その時々が、「今生の別れ」、そう思うと人と接するときも、物に接するときも、もっと優しく、いたわりと思いやりを持てるはずです。これも「一滴の露」の教えなのです。

「明歴々、露堂々」―歴然として明らかに、堂々とさらけ出す。包み隠すことのない堂々とした姿、そんな姿で生きられれば、そして人々と接することができれば、豊かな心で日々が過ごせるのではないでしょうか。「忙」しいという字は、心が亡くなると書きます。どうかご参詣のほんの一時でも、心にゆとりのスペースを持っていただきたいものです。そして、四季を感じ、四季と遊び学ぶ心を育んでいただきたい、と願っています。

さあ、いつどんな時でも「露堂々」です。

合掌